オフィスの電気工事で必要な位置にコンセントがない場合に、コンセントの延長工事を行う場合があります。
コンセントの延長工事を行う最も典型的な例としては、壁にルームエアコンを取り付けたいときにコンセントの位置が遠いときです。
エアコンは、200Vの電力を使用することも多く、また、天井近くになるため延長コードを使用して電力を取ることは現実的ではありません。(エアコンに延長コードを使用することは法律で禁止されています)。かといって、コンセントの位置のために、エアコンの設置場所を変更するのも非効率です。
そうした問題の解決策の一つが、コンセントの延長です。
今回の記事ではコンセントの延長について解説します。
▶目次
コンセントの延長の概要について紹介します。
コンセントの延長とは、現状設置されている電力の配線を延長し、コンセントの位置を変更することです。コンセントの移設ともいいます。
同じ目的でコンセントの増設を行う場合もあります。コンセントの増設は、分電盤から新たに回路を1本増やす方法と、従来の回路を分岐させ新たにコンセント口を別の箇所に一本作成する方法があります。
延長は特に、コンセント増設の後者のパターンと非常によく似ています。
コンセントの延長には電気工事が必要になるため、延長コードやオフィスのレイアウトの工夫で間に合わせられる場合も少なくありません。
コンセントの延長が最も多く利用されるのは、ルーム型エアコン設置の際です。
ルーム型エアコンには、電力使用量や契約V数の兼ね合いから専用回線を引くことが多いのですが、エアコン専用のコンセントがエアコンを設置したい場所から離れている場合に、コンセントの位置を延長によって変更することにより問題を解決できます。
コンセント延長の工事内容について紹介します。
コンセント延長の工事内容は、コンセント増設の工事とほぼ同様になります。
既存のコンセントを取り外し、ケーブルを引き直すか、ジョイントするかによって必要な個所まで引っ張ります。そして、従来のコンセント取り付け位置の壁を埋めて、新たに必要な位置にてコンセントの取り付け工事を行います。
せっかく、工事を行うなら、両方に電源を残しておいた方が得なのではと思われるかもしれませんが、エアコンは電力使用量が多いので、同じ動力源から電源を取ってはいけない場合があります。
エアコン取付の際に、コンセントの位置を変更する際には、増設ではなく移設、延長が一般的です。
以前は上記の通り「エアコンは専用回路」ということが一般的でしたが、近年はエアコンの省エネ性能が飛躍的に向上したこともあり、必ずしも専用回線であることまでは求められなくなりました。
依然として、できるだけ専用回線を引いておいた方が無難ではありますし、万が一他のコンセントとあわせて使用する際にも一般の方の独断での接続は非常に危険です。やむを得ず、エアコンのコンセントを他の機器に接続したい場合には、電気工事事業に相談しましょう。
今回の記事では、電気工事におけるコンセントの延長について解説しました。
コンセントの延長は、コンセントの増設に非常によく似ていて、必要な個所にコンセント口がない場合に配線を接続しなおして既設の電源を別の箇所に持っていくことをいいます。できるだけ専用回路として単独で使用したいエアコンなどの機器を接続する際には、誤って使用してしまう可能性のある増設よりも、延長(移設)の方が無難で便利です。
移設の際の電気工事費の相場は5,000円~20,000円ほどと業者によって大きな幅があります。