電気工事~業務用エアコンの種類と電源・省エネについて

オフィスの電力商品の中で、大きな割合を占めるのがエアコンです。
オフィスのエアコンには、さまざまなタイプがありますが、広いオフィスの室内を適温に保つためには、大きな電力を必要とするため、専用回路を引いて対応することが一般的です。エアコンの電気回路に不具合が生じてしまうと、室温が最適に保てなくなり、業務効率が著しく落ちてしまいます。
今回は、エアコンのコンセントに関する電気工事について案内します。
▶目次

1、業務用エアコンの種類と電力について


業務用エアコンには、以下の種類があります。

天井カセット型

オフィスで最も一般的にみられるタイプの業務用エアコンです。壁に穴を空けて、エアコンを埋め込みます。場所を取らず、見た目もスッキリさせられるので、とても人気があります。また吹き出し口が4方向についているので、室内を短時間でまんべんなく適温にすることができます。

天井吊型

天井吊型は、天井からエアコンを設置します。天井カセット型のエアコンが設置できない場所でよく利用されます。
使用するエアコンとしては天井カセット型のものと同じタイプのものになります。
ある程度の天井高がないと、圧迫感を感じてしまいますので、倉庫や作業場などで用いられることが多いです。

壁掛け型

家庭用のルームエアコンなどと同様、金具で壁に設置するタイプのエアコンデです。
家庭用のものと外観は同じですが、業務用のものは家庭用のものよりもハイパワーのものが多いです。高機能化していますが、吹き出し口は1方向のため、小規模のオフィスや室内で使用されることが一般的です。

天井埋め込みビルドイン型

天井に埋め込むタイプのエアコンで、本体と吹き出し口が別になったタイプのエアコンです。
パーテーションなどで仕切られているスペースや、廊下などのスペースが限られているところで利用されます。

2、エアコンの電源と省エネについて


エアコンの電源と省エネについて紹介します。

エアコンの電源

業務用のエアコンの電源がどのようになっているかというと、基本的には分電盤から室外機に直接電力が供給されています。
そして、室外機からエアコン本体に電力が送られ、ファンを回すための電力がエアコン本体から室外機に送り返されるという仕組みです。
小規模のオフィスや倉庫などでは、家庭用のルームエアコンを使用されているケースもあるかもしれません。この場合には、一般家庭同様にエアコン本体の近くにコンセントが必要になります。
いずれの場合でもエアコンを利用する場合には、200Vの電力を使用することが一般的です。
200Vに設定したからといってもその分アンペア数が下がるので、電気代金が高くなるわけでも安くなるわけでもありません。ただ、2本の電線を使用して電力を供給するので、パワーに余力をもって電気を運ぶことができます。
室外機の規格によっては、3相200V形式を取っており、100Vの電力源では使用できない場合もあります。
また、コンセントの形状に関してもいくつかタイプがありますので、注意しましょう。

ビル用マルチエアコンについて

上述の通り、一般的な業務用のエアコンは、室外機に電力を送り、室外機からエアコン本体に電力を送ります。
業務用のエアコンの省エネ面でのデメリットは、1つの室外機に対して複数のエアコン本体を同時接続する場合に、部分的な負荷に関係なく、主機の運転状態に全室外機が従うことになることです。
ビル用マルチエアコンは、室外機とエアコン本体の電力が別の電源になります。
オフィスでは、必ずしもすべてのエアコンが同時に動いているとは限らず、またエアコンの強さも一定というわけではありませんので、別々にすることにより必要な電力だけを使用することが可能になります。

業務用エアコンの省エネ方法

業務用エアコンは、上述の通りオフィスにおける電力の大きな割合を占めます。
したがって、エアコンの節電に成功することは非常に大きな意味を持ちます。
もちろん、無駄遣いをしないこと、消し忘れに注意すること、設定温度を適正に保つことなどの使用上の注意点もありますが、電気工事関連での節電方法は以下の二点です。
・古い機種は交換を検討する
エアコンの機種のエネルギー効率は年々向上しています。もし、現在利用中のエアコンが10年以上使用し続けている機種の場合は、同様の使い方をしても節電が可能ですし、エアコンの効きが良くなることで業務効率も向上します。
また、古い機種を使用し続けていると、故障していなくとも効きが悪くなってしまったり、余計な電力を消費したりしてしまうケースもありますので、エアコンを新しい機種に交換するメリットは小さくありません。
・フィルター清掃を定期的に行う
メンテナンスを定期的に行うことにより、エアコンの効きが悪くなることを抑えられ、結果として節電につながります。また、フィルター清掃を定期的に行うことで故障のリスクが下がるので、故障のリスクを下げ、イレギュラーの電気工事の発生を防ぐことにもなります。

3、まとめ

今回の記事では、エアコンの電気工事について、主に電力の観点から紹介しました。
エアコンは、家庭用のルームエアコン型のものを除き、コンセントから電力を取る形ではなく、配電盤、分電盤から電力を直接引き込む形を取っています。従来のものでは、いったん室外機に電力を送電し、室外機から各エアコン機器へ電力を送電します。最近では、節電の観点から室外機とエアコン機器の電力を別々に取るビル用マルチエアコンも登場しています。
節電をするためには、マルチエアコンに限らず新たな機器を設置すること、そして、メンテナンスをきちんと行うことが重要です。

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