オフィスの電気回路を把握しておくことは、日常的に機器を使用する際にも電気工事を行う際にも非常に重要なことです。
現状、配線やコンセントがどのようになっているかを確認するには、配線図を見るのが最も手っ取り早い方法です。配線図は、電気工事業者から工事完了後にもらえることが一般的です。
注意したい点としては、一般の方にもわかりやすい配線図を作成してもらえる場合もありますが、建築図面をそのまま渡される場合もあります。建築図面の場合には、見慣れない記号が多く用いられていますので、内容を理解するためには記号の意味を最低限知っておかなければなりません。
今回の記事では、建築図面の配線図の記号について案内します。
▶目次
配線の図記号について紹介します。
配線図の短い点線は「露出配線」といいます。
その名前の通り、天井裏やOAフロアに隠さずにオフィスに露出してひかれている配線のことです。
床隠ぺい配線は露出配線よりも少し長めの点線で記載されています。
OAフロアや床下などに隠してある配線のことです。
天井隠ぺい配線は実線で記載されています。
こちらも、そのままですが、天井裏に隠されている配線のことです。
コンセントの記号について紹介します。
コンセントは、プラグの先端部分を〇で囲ったような形をした記号をしています。上向きの黒の半月から二本の線が上に伸びているような形です。
壁付コンセントの記号がすべてのコンセント記号の基本になっています。
コンセントの図記号の右下に「2」、「3」と書かれているのは、2口、3口コンセントです。差込口の数がそのまま書かれているだけなので、非常にわかりやすい記号ですね。
コンセント図記号の右下にEが書かれたコンセントは接地極(アース)付のコンセントです。
似た記号として、ETと書かれた接地端子付きコンセント、EETと書かれた接地極接地端子付きコンセントがあります。
いずれも、冷蔵庫や電子レンジ、プロジェクターなどアース付の電化製品を使用する際のアースの接続口が付いているコンセントを指しています。
他に、漏電遮断機付きコンセント、防雨形コンセント、抜け止め形コンセントなどさまざまなコンセント記号がありますが、基本の形は同じなので、コンセントの基本形を覚えておけば問題ないかと思います。
例外としては天井取り付けコンセントで、図の形としては、縦棒2本を〇で囲った形をしています。また、天井取り付けコンセントの下に▲の記号が書かれたものは床用コンセントです。
コンセントの位置や配線経路を確認するために図面を見ても、建築図面の場合には見てもなかなか意味が理解できないことがあります。
特に記号についての理解があると、図面が理解しやすくなるので、最低限の意味を抑えておくと良いでしょう。
将来的なことを考えれば、だれが見てもわかりやすい図面を建築図面とは別に用意しておくと便利です。電気工事を行う際に、工事業者の方に相談してみましょう。例えば、コンセントの口がいくつあるか、経路ごとにブレーカーのどの番号を使用しているか、といった情報を視覚的にわかりやすくしておくことで、将来的に確認の手間を軽減することができます。
工事業者でわかりやすい図面の作成ができない場合には、図面のコピーを取って、必要な情報を書き込むなどの対策をするのも良いでしょう。