電気工事で使用するボックスにはさまざまな種類があります。
用途や使用する場所によって、形や名称が異なりますが、電気が流れる電線やコンセントは燃えやすい建材と接触すると火災のリスクにつながってしまうため、断熱性のあるボックスで区画する必要があるためです。
今回の記事では、コンセントの裏側に使用するコンセントボックスについて紹介します。
特に、後付けでコンセントを使用する際などに用いることが多いので、その目的と必要性について理解されておくと良いでしょう。
▶目次
コンセントの裏側に使用するコンセントボックスについてご紹介します。
コンセントボックスとは、コンセントの裏側に埋め込まれている樹脂製のケースのことです。
ビルや住居を新築にて設計する際には、あらかじめコンセントボックス内にコンセントが収納されており、電源と柱や壁面が接触することによる火災を防ぐ目的で使用されています。
コンセントボックスは、インターネットやホームセンターなどで気軽に購入できるもので貼りますが、設置や取り外しを行うには電気工事士の資格が必要になります。
コンセントボックスには、埋め込み型と露出型があります。
埋め込み型は一般的なコンセントに利用するものであり、壁にコンセントを設置する際に使用します。
露出型のものは、主に後付けでコンセントを増設する際などに使用します。コンセントボックスが外から見える状態になるので、利便性の観点からも部屋やオフィスの美観の観点からも優れているとは言えませんが、壁に穴を空けられない時や、工事を簡易的に済ませたいときなどに利用されます。
他に電気自動車の充電や機材の利用のためなどに屋外で使用する際に、防雨・防水のためにコンセントボックスを使用されるケースもあります。
防水コンセントボックスの中にコンセントを収納する程度の作業であれば、電気工事士の資格は必要ありません。
基本的には、コンセントを設置するにはコンセントボックスの設置が必須になりますが、近年はボックスレス工法と呼ばれるコンセントボックスを使用しない建築方法もあらわれています。
ボックスレス工法でコンセントを設置する条件としては、コンセントの周囲に断熱材や造営材がないことと、空間があることです。
コンセントボックスの選び方について紹介します。
電気工事に伴って、コンセントボックスが必要になる場合には、基本的には電気工事業者が製品を選ぶことになるかと思います。逆に言えば、コンセントボックスはサイズや素材について法律で定められているので専門家がきちんと選ぶ必要があります。
したがって、機能を第一優先に考えなければなりませんが、利用者側でもコスト面と見栄えの面は気になるところではないかと思います。
コンセントボックスは、未来工業、パナソニック、フソー化製、日動電工といった企業が製造しています。
未来工業がトップシェアを誇る企業ですが、最近では単価の安さもあり日動電工が伸びています。
1個あたりの単価は500円以下になりますので、工事の箇所によっては些細な金額の差となるかもしれませんが、少しでも費用を安くしたい場合には、異なるメーカーのコンセントボックスを使用するように業者の方に相談してみるのも良いかもしれません。
埋め込み型の場合には、プラスティックのカバーを上から取り付けますので、見た目についてはそれほど心配する必要はないかもしれません。カバーの色が壁に対して違和感のあるものでなければ大丈夫でしょう。
露出型の場合には、質感を使いやすさを重要視しましょう。
今回の記事では、電気工事でコンセントを設置する際に使用するコンセントボックスについて紹介しました。
コンセントボックスは、主に火災防止のためにコンセントを設置する際には必要不可欠なものです。埋め込み型と露出型のものがあり、基本的に室内で使用する場合には埋め込み型の方が利便性も良く、見た目もスッキリします。しかし、壁に穴を空けられない場合や、屋外で使用する際には露出型のコンセントボックスを使用します。
露出型のコンセントボックスを使用する際には、防水性や防雨性の機能が重宝されます。
コンセントボックスの機能を把握して、コンセント増設や移設の際に参考にしていただければ幸いです。