オフィス内の必要な個所にコンセントがない場合に、延長コードで対応するケースもありますが電気工事を行い、コンセントを増設した方が良い場合もあります。タコ足配線の危険性や必要な電力量を踏まえると、延長コードでは対応が困難なケースです。
この記事では、コンセント増設の工事について解説します。特に、工事の価格について詳しく紹介します。
▶目次
コンセントの増設工事の詳細について案内します。
コンセントの増設工事には2種類あります。
分電盤から専用のコンセントを引く場合と、既存の電源を延長して新たなコンセント口を作る場合の2種類です。
専用のコンセントを引く場合には、工事費用は高くなりますが、新たに専用の電源を引くので電力の容量としては余裕が持てます。逆に既存の電源を延長する場合は、工事費用としては安く済ませられるケースが多いですが、同じ経路になりますので電力容量は既存回線と共通のものになります。
電力容量をオーバーした場合には、同一経路のブレーカーが落ちてしまいます。
専用の回路を引ける条件は、分電盤に空きがあることです。新設した場合には1経路分の電力を使用できるので、電力使用量の多い機器を利用する場合や、既存のコンセントで既にそれなりに電力を使用していえる場合には専用回線がおすすめです。
分電盤に空きがない場合には分電盤を交換しなければならず、大掛かりな工事作業が必要になりますし、費用もけた違いになります。
もし空きがある場合には、分電盤から天井裏や壁の中、OAフロアの下を通して、必要な個所まで電源ケーブルを引っ張ります。
普段使用する際に、既存のコンセントの電力に十分余裕があり、新たに設置する場所で利用する電力量もそれほど大きなものでない場合には、既存の電源を延長する方法も取ることができます。
この場合は、最寄りのコンセントあるいは、使用電力に余力が大きいコンセントをいったん外して、分配させてから電源コードを延長させます。
ケーブルを壁や床下に隠せますし安全性や電力の供給量では勝りますが、考え方としては延長コードでケーブルを延長するのに似ています。ブレーカーが落ちるリスクがあるので、一つの経路で複数のコンセント口を設置している場合には、どのコンセントが同じ経路のものかを把握しておく必要があります。
特に、後から工事を追加で行った場合には、設立時、入居時の図面に経路が記載されていませんので、最新の経路図を保管しておくようにしましょう。
コンセント増設の価格の相場について解説します。
コンセントの専用回路の増設の場合には、1件あたり15,000円~30,000円の費用が相場となります。
工事内容としては、分電盤から電源ケーブルを伸ばし、差し込み口を増設します。差し込み口を作るには、壁に必要なサイズの穴を空け、プラスティックの差込口をはめ込む作業になります。壁の素材や、柱の位置などによっては希望する箇所にコンセント口を作れないこともあります。
電源を延長する場合には、1件あたり10,000~15,000円程度が相場になります。
ただし、増設元の電源から設置場所までの距離や配線のしやすさなどによって条件が異なるので一概には言えない部分もあります。
電源の増設が必要な場合に、簡単に延長コードで済ませてしまうという考えもありますが、火災の発生リスクがあるため、おすすめできません。
費用は掛かってしまいますが、専用の電気工事業者に工事を依頼するべきです。
電源の増設には、専用回路を引く場合と既存の電源を延長する場合との二種類あります。使用予定の電力量や分電盤の状況に応じて検討しましょう。
価格の相場は、専用回路では15,000円~30,000円程度、延長の場合は10,000円~15,000円です。
また、これらの工事を自社スタッフで行うことはできません。専用の電気工事士という資格が必要です。